秘密の花園
「ということで、私の代わりに行って欲しいんだけど…」
「嫌よ。自分で借りたんだから自分で行きなさいよ」
スッピンノーメイクのオシャレ星人は、私の買ってきた賄賂もとい、おにぎりをたらふく食っておきながら無情にもお願いを拒否しやがった。
詐欺だ、詐欺。訴えるぞ、おい。
空になったビニールを見つめながら半ば本気で考えていると、まみちぃは茶色くなった私の髪を一房とって呟いた。
「似合ってんじゃん、その髪」
そう言われて気分が一気に落ち込む。
髪型を誉められるたびに、私を笑いものにしていた男が賞賛されているように感じてムカつく。
ケッと心の中で吐き捨てる。
もうシンデレラタイムは終了したんだ。この髪型はその名残でしかない。
「ねえ。そろそろ何があったのか教えてよ」
まみちぃの魔の手は私のゲームのお供にしようと思っていたポテチにも及んだ。
「なんのこと?」
しれっとした顔で、ポテチを奪い取る。