秘密の花園
「あいつ、知ってたんだよ。水瀬さんが結婚してること知ってて黙ってたんだ。私のことカットモデルにして、面白がってたの!!」
「はあ…なるほどねえ…」
パリッとポテチが割られる音がした。
「だから自分で行きたくないの?」
私はコクンと頷いた。もう二度とあんな惨めな思いはしたくない。
もう充分傷ついたじゃない。どうして自分で傷口に塩を塗りこむ真似ができるだろう。
まみちぃは私の態度を見るやいなや、その辺に放置されていた紙袋をおもむろにこちらに放り投げた。
「決めた。やっぱり自分で行きなさい」
「え?」
紙袋をなんとかキャッチして呆気にとられていると、まみちぃは厳しい表情で告げた。
「恋愛をなめないでよ」
思わず、ゴクンッと息を飲み込む。
「あんたが振られたことと、カットモデルになったことは全くの別の問題よ。水瀬さんを好きになったのも、カットモデルやるって決めたのも自分でしょ。もし仮に、水瀬さんが結婚してなくても、あんたの変身した姿をみて付き合う可能性は100%じゃないのよ」
まみちぃは正論を突きつける。
それは私の首をぎゅうぎゅうと締め付けて息を継げなくさせた。