秘密の花園

カウンター




「あっ理香ちゃん!!」


まみちぃの家から徒歩10分。


相変わらず客の入りの悪い竹富に入るなり私は絶句した。


「てんちょ…。何してるんですか!?」


「丁度良かった!!レジスター壊れちゃって…」


いや、壊れたんじゃなくて意図的に壊したんじゃないの…?


半壊になっているレジスターのそばにはドライバーやらトンカチやらが置いてあって、明らかに店長が解体したんじゃないかって痕跡がある。


普通はネジやら、ボタンとか外れないしね。


好奇心に負けて分解してしまったのだろうか。


店長ってばお茶目ー。


とりあえずレジスターをもとの状態に戻そう。こういうのは得意分野だ。


私は基盤が露になったレジスターを隅々まで点検した。


「直るかなー?」


「う~ん…大丈夫です!!店長は本の整理でもしてて下さい」


几帳面な性格の店長らしく、部品は全部揃っているようだし大丈夫だろう。


私は店の裏に行ってバイト着のエプロンを着ると、早速作業を開始した。


ドライバーを片手に部品を嵌め込んでいく私の様子を店長が背後から覗き込む。






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