秘密の花園


サーッと血の気が引く。


やばい!!やばい!!


恐る恐る辺りを見回すと、私が寝ていた位置のすぐ隣。布団がいやーな感じに膨らんでいる。


確かめるように布団をつまんで、その中を覗き込む。


ひぃ!!


ま、魔王が寝ている!!


眉間に皺を寄せて寝ている!!


私は思わずベッドから跳ね起きて、壁際まで後ずさった。


謎の頭痛の正体は二日酔いだということにようやく思い当たった。


そして、さらに最悪なことに。


……自分がキャミソールとブラジャーとおパンツしか身に着けていないことにも気がついてしまった。


思い出せ、思い出せ!!自分!!


ズキズキと痛む頭に鞭を打って、昨夜の出来事を必死になって思い出す。


えーっと……。


路上でげろりんちょ★しちゃったらもう本格的に動けなくなって、魔王のお宅にお邪魔した所までは覚えているぞ。


そっから何があって、こんな無防備な姿で一緒のベッドで寝ているんだ。


ダメだ。肝心な所がまったく思い出せない。


私は本格的に頭を抱えた。


もしかして、考えたくないけど。


……ヤッテシマッタンデスカ。

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