秘密の花園
こんなことってある?
私、初めてだったのに!!
初めては愛する人に捧げようと取っておいたのに!!
いや、結果的に取っておいていることになっているだけだけども!!
「う、うう、ううう、嘘だ!!」
嘘だと言ってよ、マイマザー!!
私の叫びに答えてくれたのはマザーでもなければ唯香でもなかった。
「……うっせーな」
……寝起きのサタンは泣く子も黙りそうなほど恐ろしい人相をしていた。
ベッドから起き上がったサタンは半裸の変態男と化している。
服を着ろよ!!
そう叫ぶ前に、自分も人のことなど言えないことに気が付いた。
私は慌てて自分の姿をその辺にあったタオルで隠した。
「わ、私の服は!?」
先ほどからどこを探しても私が着ていた服が見当たらない。もう、踏んだり蹴ったりで泣きたくなる。
「洗濯機の中だ。お前、昨日何をしたか覚えていないのか?」
「うん……」
「とりあえず、一発殴らせろ」
言うが早いか、魔王は私の頭に拳を落とした。