秘密の花園
「あ、そう」
……へ?
キョトンとして思わずマイマザーの顔を見上げた。
「どうでも良いから着替えてきたら?」
お母さんはフライパンで2階を指し示すと、昼ドラにチャンネルを合わせたリビングのテレビの前に戻って行った。
…あれ?
長々とお説教を言われると覚悟していたのに、あっさりと解放されて首を傾げる。
あれほど怒っていたというのに、急にコロッと態度を変えられて何だか気味が悪かった。
それとも、お説教されなくてラッキーとポジティブに捉えるべきか。
きっと、日頃の行いが良いせいね!!
私はるんたったるんたったとスキップしながら自室の扉を開けた。
「たっだいまー」
魔王の住処から帰った私を花園の皆さまは温かく迎えてくれる。
……はずだった。