秘密の花園

魔王のしもべ


授業が終わっていつものように美容院の扉を開けると、お客さんの途切れたサタンが伝票を整理していた。


「よう」


私に気が付くとレジから顔を上げる。


「どうだった?今日から学校だったんだろう?」


「どうって、別にふつー」


つーんとすまし顔で答えると、サタンは容赦なく攻撃を開始する。


「30点」


「うぎゃん!!」


ババンと派手な音を立てて繰り出されたハリセンは私の頭に見事命中した。


一体どこから出してんだ、そのハリセンは!!


使い込まれたハリセンはところどころ、補強がしてある。


血と汗を吸ったハリセンは恐ろしく重い。きっと私以外の人も餌食にされたに違いない。


「言い方が可愛くないねーんだよ」


サタンは叩く準備は出来ているのだと言わんばかりに、ハリセンを手に打ち付けている。


見た目だけでなく、言い方まで文句をつけるのか!!


私は半泣きになりながら、己の言葉を訂正した。


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