秘密の花園
「あずなさん!!」
私はあずなさんの姿を発見すると、速攻で呼び止めた。
「あれ?理香ちゃん、どうしたの?」
閉店間際の時間だったのか、あずなさんはピエール様を片付けている途中だった。
「大変なんです!!」
駅から全力でダッシュしたせいで息が切れていたが、必死になって緊急事態を訴える。
「どうしたの?」
「私……とんでもないことしちゃった……」
……迷惑かけるつもりなんて微塵もなかったのに。
もう、どうしたら良いか分からない。
こんなの酷いじゃないか。
反論できないネットに悪口を書くなんてやり方がえぐい。
悔しくて涙が滲んでくる。
そんな私の頭に降りてきたのは、あずなさんの優しい手だった。
やわやわと撫でられれば、少しだけ気分が落ち着いてきた。
「何があったのか順を追って、詳しく話してくれる?」