秘密の花園

私達が対峙すると、ただならぬ雰囲気にざわっと周りに人だかりができた。


水と油。

犬と猿。

ハブとマングース。


私と嵐子はまさにそれだ。


「サタンに謝りなさいよ!!」


「は?何のこと?」


嵐子はふふんと鼻で笑った。


こいつ、ブログのせいで大騒ぎになっていること知っていてとぼけているのだ。


その態度がどうにも腹に据えかねる。


「……ブス」


サタンの言うように、心の在り様が見た目に透けるならば。


こんなに可愛く着飾っているこいつは、とっても素敵な生物ってことになる。


誰もがこいつを可愛いと褒め称えていたって、私だけは認めるわけにはいかない。


「……今、なんて言った?」


どうやら嵐子の耳にも私の台詞は届いていたようだ。


「ブスって言ったのよ。このドブス!!」


更に挑発するように言葉を続けると嵐子はケラケラと笑って言った。


「嵐子がブス?やだー。頭おかしいんじゃないのー?」


「私がブスって言ったら、あんたはブスなの!!」


可愛けりゃなんでも許されるってもんじゃないのよ。


その身体に叩き込んであげようか?


サタン直伝のハリセンで!!

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