秘密の花園
「ひとつだけアドバイスをあげるわ」
神妙な顔してそんなこと言うもんだから私は思わずテーブルから身を乗り出した。
「攻めなさい」
まみちぃの可愛らしいネイルが光る指先が向けられる。
「乙女ゲーだって攻めないと恋愛メーターはあがらないでしょ?」
まみちぃは持論を展開すると、男との待ち合わせに出掛けていった。
まみちぃはオシャレ星の中でも高級住宅地に住んでいるんだろう。
腐れ縁の幼なじみじゃなきゃ、話すことなんてきっと一生ない。
私は大学から家へとトボトボ帰り始めた。
当初の目的だった図書館は閉館日だった。
それがよりいっそう気分を滅入らせた。
まみちぃ…それができたら苦労しないよ。
自分でも持て余してるから相談してるんだ。