秘密の花園
差し入れ
私はカウンターに肘をついて、本の帯を直していた店長に向かって尋ねた。
「店長~魔法が使えるようになるにはどうしたらいいんですかねー」
二重を一重に変える魔法とか、顔が風船みたいに腫れあがる、そんなちっぽけな魔法で良いんだ。
だれか私に伝授してください。
“読モ”いや、“毒モ”相手に丸腰で太刀打ちなどできるわけがない。
まみちぃに聞いたら、“読モ”いわゆる“読者モデル”は素人ながらテレビや雑誌で活躍する一般人女性のことで、今やプロの契約モデルに匹敵するほど影響力があるらしい。
肩書はアマチュアだけど、だからこそ商品価値があるのだと。
雑誌の紙面だけでなく、ファッションショーにでたり、本や、DVDを出版してみたりとその活動は多岐に渡る。
ここまでくるとプロなのか素人なのか、もうよく分からない。
もちろん、ミスキャンもあいつが本命予想No.1である。
まみちぃにこのことを聞かされた時は腰を抜かすかと思った。
……やばい。
もしかして、とんでもない奴に喧嘩売っちまった?