秘密の花園
一次審査
一次審査はステージ審査だ。
ひとりずつステージに上がり、ポージングをしてその場で自己紹介。
次に、観客に向かって自己PRをする。
私の出番は最後から2番目、嵐子の次だ。
わざとか……?
嵐子の後なんて、嫌でも比べられてしまうではないか。
この辺に作意的なものを感じて、実行委員側に抗議してやりたくなる。
「エントリーナンバー3番!!矢上嵐子さんです!!」
司会の男に名前を呼ばれて嵐子がステージに上がると、観客から早速声援が飛んだ。
「嵐子ちゃーん!!」
声援にこたえるように音楽に乗って堂々と歩く姿は、流石“毒モ”……。
げふん、げふん。
……“読モ”である。
私は舞台袖から嵐子の様子をこっそりと窺った。
これだけ沢山の人が嵐子に注目しているというのに、やつの目は更に強く要求している。
私を見て!!もっと見て!!
カメラに笑顔を向けている嵐子を見て、勝負を忘れて素直に感心してしまう。
オシャレ星人ってすげー!!