秘密の花園

マリサンカートという単語を出した途端、ミスキャン会場にはどよめきが起こり、くすくすという忍び笑いが聞こえてきた。


笑いたければ、笑うが良いさ!!


こっちは笑われるのも覚悟してきましたよ!!


ステージ上では画面を映し出すスクリーンと椅子がすぐさま準備された。


参加者は会場にいる人から募った。小学生から、大人、老人まで、幅広い年齢層を選んで,席についてもらう。


各々、使用するキャラクターを選ぶと準備完了だ。


……どうでも良いけど、大勢の人に見守られながら黙ってゲームをするなんてシュールな絵だ。


「よーい……スタート!!」


ゲームがスタートすると、私は一気に加速して1位に躍り出た。


マリサンカートはランダムで出現するアイテムによって、順位が変動することもあるから要注意だ。


私の操るマリサンの後ろには、小学生が操るライバルキャラクターの“コッペ”がぴったりと張り付いている。


どうやら、他の参加者は目じゃないようだ。


……こやつ、相当やりこんでおる。

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