秘密の花園
「仲良しだねー」
さなえちゃんとれみちゃんはじゃれている私と唯香を見て、互いに顔を見合わせた。
「“うちのお姉ちゃんはダサくて変わり者で頭のねじが全部外れてる”って言ってたけど、普通じゃんねー」
ちょっと、それどういう意味?
問いただすように唯香を睨むと、やつは懸命に私から目を逸らしていた。
まあ、その件に関しては今度にしよう。
腕時計に目をやると、そろそろ次の審査の準備に入らなければいけない時間になっていた。
「行かなきゃ!!」
私はそう言うと残っていた焼きそばを急いで胃に流し込んだ。
「お姉ちゃん!!二次審査も頑張ってね!!」
控室に戻ろうとする背中に唯香からの声援が飛ぶ。
「まかせなさい!!」
私は心配する妹に力強く答えた。