秘密の花園
控室から離れるようにして校舎の隅に場所を移すと、私は早々に口を開いた。
「どうして、ここにいるのよ?」
ミスキャンに出ることは、当たり前だがサタンには内緒にしていたはずなのに。
「真南ちゃんから聞いた。お前、本当にバカだな。普通マリサンカートなんてやらないだろう」
やっぱり、まみちぃか。あの女、いつか締める!!
っていうか、いつの間にメル友になったんだよ!!
サタンは一次審査での私の自己PRを思い出したのか、腹を抱えてひーひー笑っていた。
暗黒微笑ではない、屈託のない笑みだ。
……サタンも笑うんだ。
意外に思ったけれど、今はそれに構っている暇はない。
「うるさいわね!!忙しいのよ、こっちは!!」
このドレスと闘いながら、メイクをして髪の毛をまとめるのにあと30分しかない。
重いドレスを引きずって控室に戻ろうとすると、サタンが近くにあったベンチを指差した。