秘密の花園

決着


結果発表は二次審査が終わってから一時間後に行われた。


観客はミスキャンパスに栄冠に輝くのは誰なのかと、固唾を飲んで様子を見守っている。


それはステージに集まった私達も一緒だ。

エントリー者の表情は堅い。


唯一、嵐子だけが余裕綽綽の笑みを浮かべていた。


……どっからそんな自信が出てくるんだ。


こちとら、失恋間際でHPは点滅どころか“瀕死”のステータス異常だ。


今の私は泣き腫らした目を隠すように、ダテ眼鏡をしていた。


佐田さんってば、本当になんでも持っているんだから……。


不思議なメッセンジャーバックに感謝する。


うっかり、結果発表に出られないところだった。


これで嵐子に負けて犬にでもされたらそれこそ悲劇だ。


「本年度のミスキャンパスは……」


司会者がもったいぶって、ためをつくる。


その間を埋めるようにドラムロールがスピーカーから鳴り響く。


早く、早く発表してよ!!


なんかもう、胃が痛い!!


お腹を擦っていると、どどんと音楽が鳴りやんだ。

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