秘密の花園
私は図書館から出ると、今度はラウンジに向かった。
今日はまみちぃと買い物に出掛ける予定だった。
あの女、ミスキャンに参加したのは副賞の商品券5万円が目的だったのだ。
お宝をゲットしたまみちぃは私を伴って豪遊するつもりだ。
最初から自分が優勝するつもりで、ライバル対決を煽って嵐子の票を分散させたらしい。
おっそろしい女である。まみちぃだけは敵に回したくない。
それにしてもいつまで待たせる気なのか。
時計を見れば既に約束の時刻はとっくに過ぎていた。
私は仕方なくまみちぃに電話をかけた。
呼び出し音にイライラしながら、少し待つと通話が開始された。
「まみちぃ?さっきから待ちぼうけなんですけど」
<ごめん、ごめん。ちょっと捨て嵐子を拾ってたの>
捨て嵐子?
あれか?
嵐子が道端でくう~んくう~んと鳴いていたとでも言うのか。
「バカなこと言ってないで早く来てよ~!!お腹空いた!!」
まみちぃが奢ってくれるっていうから昼食もとらずに待っているのだ、こっちは。