秘密の花園

「嵐子の彼氏がミスターキャンパスに選ばれたんだけど、嵐子は2位だったもんだから、お前なんて要らないって突っ返されたみたい」


「……なにそれ」


バカバカしいにもほどがある。1位でも2位でもどっちでも良い。


そもそも、嵐子のことが好きだから付き合っていたのではないのか。


「世の中にはそういう最低な男もいるってことよ」


「く!!っうう!!」


嵐子の涙は止まる気配がない。


かつてはミスキャンパスを争った私達だけれど、この様子には同情してしまう。


ティシュと同じようにハンカチも提供してやると、嵐子の手を握る。


「ほら、行くよ」


「どこに?」


喋れない嵐子の代わりにまみちぃが尋ねる。


「ミスターキャンパスのところ」


……振られるってことがどれだけ辛いことか、今の私はよーく知っていた。


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