秘密の花園

「まみちぃ、あいつ?」


「そうそう、あの真ん中の茶髪。並んで写真撮られたから間違いないわよ」


「了解」


走りにくいパンプスをぽいっと脱いで、まみちぃに渡す。


「持ってて」


まずは、準備体操。怪我をしないようにしっかり身体を伸ばす。足を曲げて跳ねるようにジャンプすれば、あとはターゲットに狙いを絞るだけだ。


その場から5ートルほど後ろに下がって、助走をつける。


ターゲットはあのいけ好かないエセ爽やか茶髪野郎。


「おんどりゃーーーーー!!なにしとるんじゃ、ボケェーーーーー!!」


叫びながら繰り出したドロップキックは見事、茶髪野郎の胸板に命中した。
(※良い子は真似してはいけません)


先ほどまで立っていた位置から遥か彼方に吹っ飛んだ男は、己の身に何が起こったのか全く把握できておらず、きょろきょろを辺りを見回すだけだった。


「嵐子に謝れよ」


そう言ってミスターキャンパスの胸倉を掴む。


< 284 / 289 >

この作品をシェア

pagetop