秘密の花園
「まみちぃ、あいつ?」
「そうそう、あの真ん中の茶髪。並んで写真撮られたから間違いないわよ」
「了解」
走りにくいパンプスをぽいっと脱いで、まみちぃに渡す。
「持ってて」
まずは、準備体操。怪我をしないようにしっかり身体を伸ばす。足を曲げて跳ねるようにジャンプすれば、あとはターゲットに狙いを絞るだけだ。
その場から5ートルほど後ろに下がって、助走をつける。
ターゲットはあのいけ好かないエセ爽やか茶髪野郎。
「おんどりゃーーーーー!!なにしとるんじゃ、ボケェーーーーー!!」
叫びながら繰り出したドロップキックは見事、茶髪野郎の胸板に命中した。
(※良い子は真似してはいけません)
先ほどまで立っていた位置から遥か彼方に吹っ飛んだ男は、己の身に何が起こったのか全く把握できておらず、きょろきょろを辺りを見回すだけだった。
「嵐子に謝れよ」
そう言ってミスターキャンパスの胸倉を掴む。