秘密の花園
サタン降臨
「はい、どうぞ」
笑顔でそれを差し出す水瀬さんとは対照的に私は心の中で泣きたくなった。
「あのう…申し上げにくいのですが」
「なに?」
「これじゃないんです…私が忘れてったのは…」
こんなオシャレな麦わら帽子じゃないんです。こんな花の飾りとかついてないですから。
「え?違う!?」
コクリと頷くと水瀬さんは困ったように顔を歪ませた。
「忘れ物は全部ここに入れておくはずなんだけどな…」
水瀬さんは店の奥の休憩室から持ってきた箱を床に置いて、品物をひとつひとつ取り出し始めた。
私も及ばずながら手を貸して、品物を確認していく。
「どういうもの?」
「これくらいの長方形の…」
ゲームです。
と言い掛けて、ハッと気がつく。