秘密の花園
「やっと…まけた…」
あいつがいないのを確認して、ベンチに腰を下ろす。
公園なんて健康的なスポット、久し振りに来たなぁ…。
「疲れた…」
日差しが眩しくて嫌になる。
自分がとことんインドア派だってことを自覚する。
「暑いなあ…」
髪の毛が汗で首に纏わりついて、より一層不快にさせる。
切ってしまえば良かった…。
毛先をつまんで眺めてみる。髪の毛は鎖骨の辺りで綺麗に切りそろえられていた。
ちょっとは女の子らしくして。
唯香がそう言うもんだから伸ばしたまんまだけど、流石にこの季節は暑い。
ふうっと息を吐いて背もたれに体を預ける。