秘密の花園
「あんた、純が好きなのか?」
サタンがなんだか神妙な顔つきになる。
少なくともサタンは水瀬さんのことを下の名前で呼ぶくらいの間柄ということがわかった。
そんな親しい人の前で好きだ嫌いだをはっきり言ってもいいのだろうか。
迷っている間にサタンが私の隣に座る。
「ふーん。あんたもあんまり趣味がよくねーな」
「ま…まだ何も言ってないじゃんっ!!」
「顔見ればわかる」
だったら最初から聞くなよ!!
「放っておいてよ。あんたには関係ないでしょ」
どうせ私みたいな乙女ゲー好きの女なんかがまともに恋愛できる訳ないってわかってるわよ。
いいじゃん。夢くらい見させてよ。
「いや、放っておけねーな」
サタンはそう言うと、私の顎を掴んで強引に顔を上げさせた。