秘密の花園
「ちょっと!!」
非難の声はサタンによってかき消された。
「お前いくつ?」
「今年20歳になったけど…」
サタンの指が何かを確かめるように髪に触れる。
「じゃあ学生だよな?」
「まあ…」
妙なことを聞かれるなと首を捻る。
そんなに学生が珍しいか?
「化粧もオシャレもしないで、髪はそのまま。そんな女に価値はねーよ?」
「っ!!うるさい!!」
怠慢を指摘されたのが悔しくてサタンの手を振り払う。
どうせ私はダサくては地味な女よ!!
自分で自覚しているだけにひとに言われると腹が立つ。
「あんた一体何様のつもり!?」
やっぱりサタンだ。魔王は本格的に花園を壊しにやってきた。