秘密の花園




乙女ゲーばかりしていると思われているかもしれないが、私だってアルバイトくらいしている。


駅の改札の真正面にも関わらず閑古鳥が鳴いているのが、バイト先である“ブックショップ竹富”である。


数メートル先に品揃えの豊富な大手書店が出来てからというものの、閉店の二文字がにわかにちらつきだす。


今だって客は3人しかいない。


汗っかきのデブとハゲたおっさん、あとは紫色の頭をしたおばさん。


店同様、パッとしない面子である。


…まあ、店員の私も堂々の仲間入りを果たしているのだけれど。


店員の基準といい、経営状態といい、この本屋はもはや店長の趣味の為にあると言っても過言ではない。



それでも店長がキチンとバイト代を払ってくれるのには頭が下がる。


それらはもっぱら乙女ゲーの購入資金に回されている。




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