秘密の花園



“カットモデルやらねえ?”
なんて、相手の許可を求める行為、本来奴には必要ない。


だって弱みを握られている立場である私の脳内では自動的にこう変換されるからだ。






“やらねえなら純にお前の趣味をバラしてやるからな。ウキキキキキ!!”








ああ、我が身の不幸を呪いたくなる。


うっかりサタンに乙女ゲー好きだとバレたばっかりにキノコにされてしまうのだ。


まったく忌々しい。


サタンからもらった魔界への招待状、もとい名刺はいらだち紛れに握りつぶしてポケットに押し込んだ。


あいつの好きにさせてたまるか!!


私はなんとしてでも人間でいたい。


間違ってもキノコは嫌だ。



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