秘密の花園
今日、昨日、キノコ
「おかえり~、りかっぺ」
「あっおかえり、おねえちゃん」
私は部屋の扉をあけるなり、唖然とした。
「あっ、真南さんダメですよ!!“電話を待つ”じゃなくて、ここはやっぱり“デートする”を選んでガンガン責めなきゃ~」
唯香が素早くまみちぃからコントローラーを奪って、目的の選択肢を選ぶ。
「いやん!!唯香ちゃんったらストレート!!じゃあ、勝負服は肌みせのミニスカね!!」
まみちぃは男を狙うときのように目をギラギラとさせながら熱心に洋服をコーディネートする。
2人はキャイキャイと黄色い声を上げて『恋の羅針盤~磁石の行方~』に興じていた。
…先ほど帰ってきたばかりの部屋主のことなどすっかり忘れているようだ。
あれか?
これはサタンに追い掛け回された挙句にバイトまでしてきたこの私に対する当てつけなのか?
「どうしよう唯香ちゃん!!告白されちゃった!!」
「えー。この人からかあ…。好みじゃないしー」
ケラケラと笑いあう2人に向かって叫ぶ。
「なにやってんじゃこらああああああああ!!」