秘密の花園
シミュレーション4
天使様
「おいおい!!そこのネェちゃん!!ちょいと待ちな!!」
「へ?」
呼び止められた気がして振り返ってみるが誰もいない。
気のせいか…。
「はあ…嫌になるわ…」
ただでさえ今から魔王のところに行かなければならず憂鬱なのに更に幻聴とは暑さで頭もやられてしまったのか。
駅からかれこれ30分も陽の下を歩いていれば当然なのかもしれない。
目的地には未だにつかない。
薄々感づいていたがこれは…。
「迷った…?」
だって仕方ないじゃないか。
こんなセレブな一等地なんて来たことないんだもん!!
やっぱり来なきゃよかった…。
まみちぃと唯香からもらった地図を涙目で見つめる。
大きな文字で“頑張ってね☆”と添えるくらいならついて来て欲しかった。
この辺にささいな悪意を感じる。