秘密の花園
弱肉強食
「まさか今更嫌だなんて言わないよな」
シベリア並みの極寒の空気を醸し出す冷ややかな視線に、私の冷や汗が止まらない。
だ…騙された!!こんな雑誌に載るなんて今までひと言も言わなかったじゃないか!!
「撮影は来週。詳しいことは後日改めて連絡する。とりあえずこれに連絡先を書け」
差し出されたメモ用紙とペンを目の前に、使えるコマンドは3つ。
戦う
防御する
逃げる
私の頭の中のコントローラーは迷わず3番目を選んだ。
「ごめん無理っ…!!」
血の気の引いた青い顔でカバンを抱え逃げようとするが。
「逃がさねーよ」
私の行動を予想していたらしいサタンにTシャツの襟元を掴まれ、逃亡は失敗に終わった。
ビヨーンとだらしなく伸びたTシャツのことなどおかまいなしに、手足をバタつかせながら必死になって抗議する。
「おかしいじゃない!!だって私オタクだよ!?お世辞に可愛いとは言えないし、こんなダサいし!!」
ワーワーと喚く私にサタンは有無を言わさず告げた。
「とりあえず座れ」