秘密の花園
「それで、今日はどうしたんだい?」
そんな私の様子に何か違うものを感じたのか、天使様が尋ねる。
「せめて最後の抵抗を、と思いましてね…」
要するにあいつの思い通りになるのはちょっとしゃくだから悪あがきをしてみようってことです。
意外と負けず嫌いだったみたいです、私。
あっ!!そーだ!!
「あの…つかぬ事をお伺いいたしますが…天使様の名前は何ていうんでしょうか…?」
天使様はにっこりと微笑んだ(ような気がした)。
「背中を見な」
「背中…」
恐る恐る天使様の背後に回る。予想通りぷりちーなお尻が現れる。
お尻は隠さないのかよっと心の中で突っ込んでいると、羽の根元にぐにゃぐにゃのローマ字のようなものが見えた。筆記体で書かれていたが、辛うじて読める。
「ピエール…?」
「OH!!YES!!」
ピエールなんてフランス人っぽい名前のくせにアメリカ人らしいリアクションで天使様は親指をグッと天に突き上げた(ような気がした)。