秘密の花園
シミュレーション6
いざ、報告
「っということで。私、カットモデルとやらになって雑誌に載るから」
夕飯のカレーうどんをズズッと啜って両親&唯香に報告する。
あっやばっ!!カレーが飛んじゃった。
ティッシュでゴシゴシとこすると更に染みが広がってしまった。
あーあー。このジャージ気に入ってたのになあ…。
「聞いてる?」
あまりの反応のなさに、スルーされたのかと心配になって向かいに座るおとんとおかんの様子を窺う。
2人ともどんぶり片手に放心状態になっていた。
「り、りりり、りり、理香!!」
最近白髪が気になり始めているおとんが最初に反応を示した。
ちゃんと話は伝わっていたらしい。よかったよかったと、思ったのもつかの間だった。
「理香!!お父さんは嬉しい!!」
全然、よかったよかったじゃなかった。
何故かおとんは号泣していて、ふきんで顔を覆っていた。
泣かせるようなことを言った覚えはないんだけど。
つーかもうすぐ50になるオヤジがさめざめと泣くんじゃねーよ。
もぐもぐとうどんを咀嚼しながら冷めた視線をおとんに送る。