秘密の花園
「理香が人並みの女の子みたいにそういうことに興味を持つようになるなんてねえ…」
おかんはおかんでしみじみとなにごとかを噛み締めていた。
「ゲームのためなら寝食削る理香がモデルなんて…!!ようやく!!女の子として目覚めたのね…」
おいおい。ちょっと大袈裟すぎやしないかい?
確かに今までそういった類のものに興味なんか湧かなかったけどさ。
この両親の反応を見ていると、自分がとんでもない親不孝者なような気がしてくる。
そんな中で唯一まともな返答をしたのは唯香だった。
「お姉ちゃんが…?大丈夫なの?それ…」
「さあねー」
あれこれ心配してもしょうがない。
髪を切るのは私じゃなくてサタンだ。
たとえ手元が狂ってキノコになってもそれは他でもないサタンのせいだ。
よって私に出来ることなどないのだ。
「ホントに大丈夫なんだか…」
心配そうに呟く唯香をよそに私は好物のカレーうどんをおかわりした。