ヒマリュウ-Ⅲ-
『緋舞、龍』
「「ママーっ!!」」
両手を広げて名前を呼べば、いつもよりも可愛い緋舞と、いつもよりもカッコイイ龍が、嬉しそうに駆けて来る。
そういう所は変わらない。
『ちゃんとお礼いいなさい?』
「いったよー?」
「うん。ぼくもッ」
『ママの前でもう一回。』
「うん。ありがとう!」
「ありがとう!」
どういたしまして、と微笑む坂野は、とてもいい顔をしていた。
…いつも笑ってればいいのに。
更にモテるに違いないだろう。