ヒマリュウ-Ⅲ-
渋々引き下がった舞と、助かった…という安堵の表情を浮かべる坂野を横目に、しょうがないからあたしが司会を進行。
まったく流れなんか知らなかったから、とりあえず坂野を紹介して、そのチームの幹部数人を紹介して、友好的にしてもらうようにお願いした。
後は、打ち解けるのを待つだけ。
…まぁ、顔はいいからすぐに人は寄ってくるだろう。
それから打ち解けるかそうじゃないかは、坂野達次第。
てか、あたしはそれよりも、さっきから感じるこの視線をなんとかしなきゃなんだよ…。
『――…で、知らない人も居たみたいだから言って置くと、この女の子が"緋舞"、4歳。で男の子が"龍"、同じく4歳。これから、もしかしたらまた会うかもだから、会った時は声掛けてくれると嬉しいな』
本当に、言ったことないかが疑問。
…だってさ、軽くチーム内で話回ったはずでしょう?
とは思うけれど、ひとまず挨拶。
ペコッ…と頭を下げたふたり。
そんな姿に、さっきまでの驚きの表情は優しいものへと変わっていった。
そして次の瞬間…――
「「「「「可愛いーーーっっっ!!!!」」」」」
――…ホール全体に、歓声と言う名の叫び声が上がった。