ヒマリュウ-Ⅲ-
しかも…なんとなーく、あたし達が"ここ"でバイトさせられた理由が分かったし。
尚更、渡すわけないでしょ。
「…だ、出さないと刺すぞ!!」
「…ぁあ゛?」
あたしに手出そうもんなら、隣の冬可が黙ってないと思う。
…言葉でさえキレそうなんだから。
「…いや、だから――」
「桃、警察呼べ」
「警察なん――」
まさに華麗。
キレイに台を飛び越えると、男が持っていた包丁を簡単に落として――取り押さえた。
『ん、分かった』
こんな時の冬可は、どうしようもなくカッコイイ。