ヒマリュウ-Ⅲ-
ちら…っと冬可を見れば、不機嫌極まりない元総長様の黒いオーラが。
…高校生、ビビってるから。
『…冬可』
「……チッ…」
辞めな、そんな意味を込めて名前を呼べば、
納得いかないのか、オーラは消えたものの舌打ちが返ってきた。
『みんなも。コレ作ったのあたしじゃないよ。』
「え…冬可サン作ったの?」
『うん』
あたしは出来なかった…とは言わず、
取り敢えず冬可の手柄だけを立てて私の失態は隠しておく。
…このまま機嫌悪いと、舞と恭哉以外が可哀相。
「「佐蔵さん…」」