ヒマリュウ-Ⅲ-



急に開いたリビングの扉。


皆の視線を一身に浴びるのは、眠そうに目を擦っている龍。



『どうしたの?』


「……め、さめちゃった。」



へへッ。


そう笑って見せた龍は、言葉に反してかなり眠そうだ。



「……戻って寝なさい」



それを見てか、冬可も戻るように促す。


…が、あたしの服を掴むなり離そうとしない。



龍の背後に視線をやるが、どうやら緋舞はいない様子。


……ひとりなら。



『あたし見てるから、龍、ココ居てもいい?』



今更戻しても寝ないだろうし。



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