ヒマリュウ-Ⅲ-
「…救いようがないわね。この鈍感さは。」
「そうだな」
妙に納得しちゃってる二人。
みんなも会話の内容が分かっているのか、うんうん頷いていて…。
…うん、わかんない。
ま、いいや。
『とりあえず、呑もっか?』
「…まったく。」
意味が分からないなら、入らなければいいっ。
だから言ったのに、なぜか呆れたような視線を向ける舞と目が合った。
それにニッコリ微笑めば、今度は舞に叩かれる。
…笑っちゃいけないの?
無理でしょ。
…――そんな楽しい時間を過ごしていたこの時、
"銀會"についてはすっかり頭から抜けていたんだ。
…あんなに舞が焦っていたのに。