ヒマリュウ-Ⅲ-
『んー…またあの場所かな?』
「あのばしょー?…あ!!あそこー?」
『多分そうよ』
「やった、たのしみ!」
"あの場所"は、緋舞も好きな場所。
…もちろん、冬可もあたしも大好きな場所だけど…
出来れば、子供には関わって欲しくはなかった。
常に危険が伴うし。
楽しいだけじゃダメだから。
『よし。はい、用意完ぺき』
「かんぺき☆」
『かんぺき☆』
壁に体を預けて、ずっとこちらを見ていた冬可に声を掛けて、
…家を出た。