ヒマリュウ-Ⅲ-
歩いて徒歩5分のところにある場所。
…こんな近くに、家を建てるべきじゃなかったのかもしれない。
「あ。桃さんと冬可さん、来ました!」
「「こんにちは!!」」
『…毎回ゴメンね。』
「いえ、気にしないでください。」
総長なら奥に。
未だ、来る度に挨拶してくれる、ヒマリュウのみんな。
そうしていつも、
舞と"龍"の場所を教えてくれる。
『ありがとう』
それにお礼を言って、舞の元へと、
緋舞を抱いた冬可と一緒に向かった。
…喜ぶべきなのか。
とても複雑だが、緋舞は全く怖がる様子もなく笑顔でいる。
舞の場所まで多少距離があるから、
行くまでに皆が挨拶してくれるんだけど…。
最初から、緋舞も龍も平気だった。
…さすがあたしらの子供。
そう言ってふたりで笑ったぐらい。