野球部の彼
僕らのノンフィクション
桜が咲く4月 。
私はこの学校に入学した。
幼稚園から大学までつながる学園形式の中高一貫の学校。
学園内は広くて、昔からスポーツが強い、伝統ある学校
みわたす限り、桜が満開だった。
私は両親が離婚して、おばあちゃんたちの実家に戻ってきた。
小学校の同級生はみんな、同じ中学にあがる。
自分だけ悲しかったけど期待もしていた。
ここへきてよかった所っていったら、街がある。
いつでも遊べるショッピングセンターがある事。
私の住んでいた所は見渡す限り田んぼと山で、
ここまで来るのに一時間くらいのど田舎。
そんな想いをするのは 2回目の事。
だけどせっかくここにきたんだから、
楽しい思い出沢山つくろうって、思ってた
──────────まだ汚れを知らない、中1の春 。
ここにきたことで、私の人生はきっと
180度変わったんだと思う。
だけどもう一方の、選べなかった未来の中にいる私は
きっともっと子供だったと思うから、これでいいの。
きっとここにきてなかったら
私は野球を好きになれてなかった。