【短編】素直じゃない
「え、俺と一日違い?まじかー直さんも一つ歳をとりますね」
「は、う、うるさいな!」
あ、結局言っちゃった。
でもま、いいよね。
「へへーん、おばさん!」
「は?あたしがおばさんだったら、あんたもおじさんでしょ?」
「あ、そっか」
え、気づいてなかったの?
もしかして智樹、天然?
「アハッ…うける。気づいてなかったの?」
「………」
あれ?いつもだったら、
”気づいてたし!わざと気づいてないふりしてたの!”
って言うのに。
何で今日は言わないの?
「智樹?とーもーき?」
「はっえ?何?」
「どうかした?今ボーっとしてた」
「いや、別に」
プイッとそっぽをむいてしまった、智樹。
あれ…?あたし言っちゃいけないこと言った?
言ってないよね?
もしかして笑ったのがいけなかった?