~First~


「あ、そーいえばお前モデルやってるんだってなぁ!」


「え?うん、でもなんで……」




先生の手には、あたしが出ている雑誌の最新号が…。



「わざわざ買ってくれたの?」



「生徒の事は、ちゃんと知っておきたいからなー」




先生……


どこまであたしをときめかすの







「でもな、買ったはいいものの、お前が見つからないんだよ!」




「えー?あたしこれだよ?」




あたしは表紙を指さした





「え?これ、黒羽?」




先生は目をまんまるにした



予想どおりの反応だった



「化粧の力ってすごいよね」



「へぇ……ほんとにすげーな。……でも俺は、学校の黒羽のがいいな」







なんだか、学校のあたしが好きって言われてるみたいで あたしは1人で赤面した





「あたしさぁ……モデル辞めよっかなと思って」




これは、本気で考えていた事だった


友達関係が崩れるなら、あたしはモデルを辞めようってあたしは前から考えてた




キーンコーンカーンコーン




「お。喋ってると時間が過ぎるのがはやいなー」




それもまた、あたしと喋ってると楽しいって事?



あたし、勘違いしちゃうから、やめて。




「あたしは愛美まつね、遅れるかも」





「サボんなよ?」





「分かってるよ」


先生は重たいドアを軽々と開け、見えなくなった





< 13 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop