~First~


「だからぁ……その名の通り…」



プルルルル――♪



あたしの携帯が鳴った



カチャ――




「桜さんだ…」



桜さんとはあたしが所属する雑誌の先輩




それにしても桜さんから電話がくるなんて珍しい

桜さんはほとんどメールなのに…





「もしもし?」



『あ!美央ちゃん!美央ちゃんグランプリだよ!!!!!!』




……グランプリ??





『毎年あるじゃない!各雑誌から代表者を出してグランプリをとった人は芸能界入り!』



内容は分かったけど、それをなぜあたしに…


『編集長が勝手に美央ちゃんの事応募してたらしいの!で、美央ちゃんがグランプリをとったのよ!』




「……………………えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」




『明後日に事務所の方との会議があるらしいからいってきてね!』




ブツッ―――




電話が切れたあともあたしは電話を耳から離さずに口をあけてポカンとしていた



「ちょっと美央!何があったのよ!」





隣で聞いていた愛美が心配そうに見つめる




「あたし………」














「芸能界入りしちゃうかも」











「……………やったじゃん!!!!!」




え?


芸能界に入るって事はもちろん嬉しいけど
その分学校にこれる時間が減る



もちろん、愛美に会う時間だって減る



「なにしょぼんとしてんの!あたしは美央がいなくてもなんとかやっとくって!海もいるし!」




愛美はなんでもお見通しだね



「頑張ってきな!」



愛美はあたしの背中を強く叩いた












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