王子様の秘密-上-



「あははっ
桜木ちゃん、それは違うよ」

「むしろ俺達は目立つべきだ!」

「成弥の次に顔は良い方だよね」



笑う恭平君に、自己主張したがる賢君、廉君。


だったなら、なんで…?



ガゴッ


「成弥、ナイス~」

「椿谷~」



成弥がシュートを決めた。


…相変わらず、かっこいいし!!


私は我慢できなくなって、成弥がちょうど近くに来たときに、言ってしまった。



「成弥~
ナイスシュートだったよ!!
その調子でがんばってね!!」

「……?」



一瞬きょとんとした成弥。


あれ?

また私、変なこと言った?



「…ん、がんばる!
陽菜、ありがと」



さっきみたいな見間違いそうな笑みじゃなくて…

仲間と喜んだときと同じ笑みを向けてくれた成弥。


私はそこから周りの黄色い声に負けないように、成弥を応援した。


でも…

試合が終わってから、恭平君達の言う“めんどくさい”の意味が分かるなんて、このときは思ってもいなかった。



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