王子様の秘密-上-





「…陽菜?」

「…グスッ…な…」

「なに泣いてんの?」



驚いた顔で私を見る成弥がいた。



「ど、どうしよ…っ」

「この子泣いてるし…
うちら立場悪くない!?」

「やばっ」



周りの女の子達が小声で騒ぎ出した。



「…お前ら何やってんだよ!!」

「拓哉!?」

「わ…私達別に何もしてないし」



成弥の隣にいた、成弥と同じくらい長身の男の子が怒鳴った。

その声に、周りの女の子だけでなく、私も驚いた。



「今すぐ失せろ!!」

「ちょっ…」

「真子、いいからもう行こう!!」

「うん…っ」



周りにいた女の子達は、罰の悪そうな顔をして離れて行った。


助かっ、た…


安心すると、涙が溢れてきた。



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