王子様の秘密-上-



「…っ何してんだよ」

「…な…るみぃ…」

「何かされたのか?」



私は急いで近寄って来た成弥に首を振った。



「アイツらは?」

「…お…置いて来た」

「バカか!!
なんで離れるんだよ!!」

「うっごめんなさい…っ」

「まぁまぁ。
成弥、そうキレるなよ?」

「拓哉…」



成弥の後から、ゆっくり寄って来た人は笑顔だった。


さっき怒った人だ…



「大丈夫?
ごめんね、うちの学校の奴らが…
怖かったでしょ?」

「……………」



怖かった…

あんなの初めてで…

自分でも泣いてたの気付いてなかった…



「アイツら気性荒いからなぁ…
明後日しっかり締めとくから、許してくれる?」

「…う、ん…」

「あっ、俺拓哉ね。
成弥の同中で…」

「拓哉。
陽菜に触んな」

「あ…ばれた?」



何の不自然もなく、気付くと、私は拓哉君に頭を撫でられていた。


成弥…睨んでる!?



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