王子様の秘密-上-
「……で、ここはどこですか?
成弥君」
「見て分かんねぇの?」
「…っ分かります!!
私が聞きたいのは…」
なんで、家に辿り着けていないのかってこと!!
目の前には、まさかの大型ショッピングセンター。
来る途中は、絶対見なかったし、通らなかった!!
「…あの~…あなた様のご自宅は?」
「はぁ?
俺、バスケですんげぇ眠たいわけ」
「だったらいっそう早く家に…」
「歩くの疲れた。
めんどい…」
…だから!!
コミュニケーション足りないんです!!
「あっ、陽菜ちゃん!」
「良かった、成弥と合流できたっぽくて…」
「賢君、廉君!?」
あれ!?
帰ったと思ってたのに…
「桜木ちゃんごめんねっ
怖い思いさせちゃったみたいで…」
「恭平君…?」
あれれ?
みんなお揃いで…
成弥を見ると、のんきに欠伸していた。
本当に眠いんだ…
「それじゃ、行きますか~」
「お~」
「え?
なに、行くって?」
意味分からないよ!!
なんでみんなコミュニケーション足りないの!?
私は賢君に手を引っ張られ、ショッピングセンターに強制的に連れて行かれた。
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