王子様の秘密-上-



恭平君は…



「きょ、恭平君っ!?」



な、泣いてるの!?



「桜木ちゃ~ん…
やばい…俺、感動した…」

「恭平君っ!!」



涙で赤くなった目を擦りながら歩いてくるなり、恭平君は言った。


分かってくれた!!



「結婚式のときはどうなるかと思って…」

「そうそう!
でも、迎えに来てくれて…」

「あんなの迷惑だろ?
つか、かなり非常識。
結婚式に花嫁さらうかよ」

「「……………」」



成弥の冷たい言葉が、私と恭平君の心を傷付けた。


成弥なんかには、一生分からないんだと思う。


そこで、寝ていた賢君と廉君が起きた。



「…ん?」

「ふぁ~…どこ?」

「双子寝てんなよ」



自分は寝に来たくせに…

始まると同時に寝てたじゃん…



「どうだったー…?」

「感想、かんそう」

「…陽菜が泣いて不細工だった」

「成弥ぃっ!!!」



私は隣にいる成弥を思いっきり睨みつけた。


…が、成弥は意地悪そうに笑っているだけだった。



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