王子様の秘密-上-
「大介さん?」
「どうぞ~」
「し、失礼します!
あの…すみませんでした!!
時間守らなくて…」
「え?
あぁ、別にいいよ。
気にしないで」
笑顔の大介さんが、輝いて見えた。
そんな大介さんの部屋は、白を基調としていた。
「成弥にまた蹴られるなぁ…」
「え?」
大介さんがボソッと呟いたのが聞こえた。
“また蹴られる”?
なんで?
「成弥の足は痛いからね」
「えっと、あの…
成弥がサッカーって…」
「あれ?知らない?」
有名な話…ではないよね?
「アイツ、中学はサッカー部だったんだよ」
「え?
部活やってなかったんじゃ…」
「孤立してたからね、アイツ」
孤立?
あの成弥が?
あの“椿谷君”が?
「成弥と同じ中学の人、陽菜ちゃんの高校に少ないでしょ?」
「はい…」
「成弥ね、中学のときは優等生キャラなんかじゃなかったんだよ。
今の成弥のまんまだったよ」
「え?」
成弥が?
信じられない…
でも、なんで…?
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