王子様の秘密-上-
第10話
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「………で?」
「え?」
「何があったわけよ?」
「な、何って…なに?」
月曜日の昼休み。
栞が苛立ったようにため息をついた。
「また増えてる」
「えっ!?」
「ため息」
「陽菜がため息すると、私にも移るんだけど~…」
「あ、ごめっ…」
「幸せ逃げるよ?」
「う、ん…」
“幸せ”かぁ…
私の幸せって何だろう…
ぼーっとしながら廊下に視線を移すと、賢君が歩いていた。
「あっ…賢君!」
「ん?
陽菜ちゃん?」
「こら、陽菜!
逃げないでよ!」
栞の怒った声を聞き流し、私は賢君に手を振った。
「陽菜ちゃん、3組だったんだね」
「うん!
賢君は?」
「1組だよ」
そういえば…
賢君と廉君は、どっちがお兄ちゃんなんだろう…
賢君お兄ちゃんっぽいな…
いつも廉君の前に話すし…
「なに?
なんかついてた?」
「あっ、ううん!
なんでもないよ!」
そう言いつつも、自分の頬をこする賢君。
…この双子、見てると和むなぁ。
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